変えられるものと変えられないもの

f0107724_1010531.jpgとらわれの苦悩とは、変えられないものを変えようとし、変えられるものを変えまいとするところに生じる。

先日、スタジオ悠にやってきたAC回復者が言った。
「最近、心からすすんで行動している自分に気づいて、しみじみスピリチュアリティの回復の意味が見えてきました」と。

人と行動するときに、《自分が手を出してもなんの役に立たないだろう》とか、あるいは《手伝わなければ悪いんじゃないか》《なにもしないとよく思われないんじゃないか》と思えば思うほど,手も足も出なくなる。
回避、回避、回避のための回避、さらに回避…を繰り返す。

それは、自分ひとりですべてを負わなければならないという“自分依存”というアディクションだ。
回避とのめりこみ(しがみつき)の自己完結はセットである。

アディクションという病は、「スピリチュアリティの病」とも言う。
人と人とのつながりや、人から人への相互の流れが断ち切れているところでは、何をするにも不要な恐れと不安がつきまとう。
変えられないものを変えようとし、変えられるものを変えまいとする孤立無援の不毛な戦いにのめのこむ。

そういう「大人しいオトナ」たちの問題は、ひきこもり・ウツ・自殺・過労死の増加やさまざまな家族問題の結末として社会に浮かび上がってはくるが、その回復のプロセスについての情報がまったくといっていいほど行き渡っていない。

f0107724_10303093.gifそんな中,米国の自助グループACA(Adult Children of Alcoholics:アダルトチルドレン オブ アルコーリックス)が数年前に刊行した回復のテキスト「ACA フェローシップ テキスト (12ステップ と伝統) / ACA 12ステップ ワークブック 」(通称ビッグブック)を元に、それをさらに深く読み取り、仲間とともに学びあうミーティングが今月ついに立ち上がった。

NACの先行く仲間たちがリーダーシップをとり、米国のWSOへの正式な登録を済ませ、毎週火曜日、夜7時より町田市文学館ことばらんどの会議室で行われている。
一緒に学びあい分かち合おうとする方ならば、年齢性別問いません。

また、今週の金曜、13日の夜7時より、スタジオ悠にて、「当事者研究をライブで学ぼう! 体験!! べてる式」がある。
こちらは、7月に大好評だった北海道浦河べてるの家の映像クリエイター向谷地宣明さんを招いて、生き難さを当事者こそが、新しい社会スキル獲得に変えていける「べてる式当事者研究」を体験するプログラム。
当事者・ご家族・支援者、どなたでもどうぞ!
くわしくはこちら

ちなみに、べてるの家の名ソーシャルワーカー向谷地生良さん(宣明さんの父)と浦河赤十字病院・精神神経科部長、川村敏明さんたちが、先住民アイヌの人たちのアルコール依存症の回復支援から歩いてきたことは「降りていく生き方」(横川一夫=著 太郎次郎社=刊)にも詳しいが、その根底にアルコール回復の12ステップ哲学が脈々と受け継がれているように私には思える。

米国の大学には「アルコール学」という専門分野があると聞くが、この「アルコール回復学・家族機能学」は学べば学ぶほど深く面白く、今日の日本に生きるすべての人に豊かさをもたらしてくれると思う。

変えられるものと変えられないものを見分けて、実りの秋にしましょう。
by teenspost | 2009-11-07 10:28 | ♪徒然Sawanism