でかい! あつい! あたたかい!北海道

飛びます! 飛びます!ワークショップ渡り鳥は、北海道伊達市に辿り着いた。
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f0107724_20223574.jpg“北海道の湘南”と呼ばれる伊達の看護専門学校で半日、赤十字病院で2日間の研修だ。

伊達紋別の駅に迎えにきてくれたのは、いく子さんとゆんちゃん。
いく子さんは、伊達の看護学校を卒業後、看護師として同病院精神科に勤務し、若くして夫を亡くした後、2人の娘さんを育て上げ、現在も夜勤をこなす。

f0107724_2018077.jpgゆんちゃんは、看護学校を卒業後、看護師として同病院精神科に勤務し、結婚後は、3人の子どもを育て、夫の両親と農家を営み、看護師を続けてきた。

言葉にならないくらいパワフルで愛すべき“おたんこナース”たちなのだ。

さっそくゆんちゃんの車で、ゆんちゃん家に案内され、愛犬ガクに迎えられ、カボチャ団子入りのぜんざいで腹ごしらえ。 幸せ〜♪


f0107724_12195485.jpgさて、看護学校の入口で出迎えるのは赤十字の創始者アンリ・デユナン(第1回ノーベル平和賞受賞者)の像である。
戦場に放置された死傷者の姿をみて、その救援活動をしている地元の女性たちの群れに入り、自らも救援活動に参加し、1862年その体験を出版、敵味方の区別なく負傷者の救護に当ることを目的とする赤十字の創設の契機となった。
晩年、ドイツの老人ホームに隠居していたところ、あるジャーナリストに発見され、第1回ノーベル平和賞を授与され、賞金は全額赤十字に寄付されたとか。
ふーむ、こんなお顔していたのね〜

今回の北海道ツアーは、ジャンベ奏者で中学生の訪問相談員のラハシーがゲスト。
ラハシーの長期にわたるひきこもり体験談からスタートした。

教師の体罰を目撃したことで学校に行けなくなった小学生のラハシーは、その後,目立たない生徒として中学・高校を生き延びるも、自分の存在と感情を押し殺したままじゃ、外には出られなくなる。

「ひきこもりしてたって、ほんとはね、おしゃべりです」
「負けず嫌いなんですね、負けるくらいなら、やらないって、完璧主義だったんですね」・・・
学生たちの表情が次第にゆるんでくる。

ラハシーのメッセージに続いて、非暴力とはなにか? 暴力のシステムを解き放つために何ができるか?を学びあい、最後は“歌って踊れる看護師”目指して、ジャンベとピアノと学生と教員たちが響きあう。
そうして、3時間半は過ぎた。

アンコール!  アンコール!  アンコール! ・・・

今までワークショップを何回もしてきたけれど、「アンコール」をもらったのは初めてだ。
かくして30分以上延長してみんなで歌い続けた末に、ラハシーが「来年もきていいかな?」とコールすると、「いいともー! 」というエネルギッシュなレスポンスがこだました。

彼らが社会に出たときには、東南アジアの同僚と仕事するわけだから、医療技術とともに、非暴力、多文化共生の智慧を学びあうことが必要だ。

また急速な高齢化と人材不足で、どこの地域も医療現場はたいへんな矛盾を抱えている。
「ひと月に一時間だけでいいから働ける中途退職した看護師を募集している病院が札幌にある」と、TVニュースで流れていた。

人間的であたたかいステキな精神科医長、トオルさんも、
「昼食を食べる間もないほど、患者が来る。医者が足りない」と。
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伊達赤十字病院での研修は毎年1回、7年続けてきて、超多忙な医療職が土日2日間の時間をつくって参加する。
年々、ここでの学び合いと支えあいの意味が、参加者にも私にも大きくなってきている。

センスのいい心の豊かな医療職ほど葛藤は深い。
そこで研修を受け持つ私も、そこでの嘆きを受け止めるだけでなく、非暴力の表現と柔軟な精神を学びあい、遊び心で楽しく巻き返すパワーを取り戻すお手伝いをしたいのだ。
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今年も病院の最上階にある海を見渡す明るい会場は、“おたんこナース”の創造的アートで美しく飾られ、精神科医長のつまびくギターでイメージワークをし、映画を観たり、看護師、保健師、養護教諭、ワーカー、ヘルパー、看護学校教員が歌って,踊って,描いて、演じて…それぞれが花開くステージは繰り広げられた。

「セルフケアは大切です」と机の上で学ぶんじゃなくて,みんなで「セルフケア」をやってみようよ!

終わってからも、ゆんちゃんは「頭の上にメロディーがずっと流れている」という。

伊達紋別の駅まで見送ってくれた“おたんこナース”と精神科医長の4名は、私が列車に乗り込むと、寒風もなんのその、駅舎の柵の向こうに一列に並んで、仲間と歌った「アィリリドゥビリ(I really do believe)」をふりつきで歌いながら、楽しそうに踊っているじゃないか。

動き出した列車の窓越しに、私も一緒に「アィリリドゥビリ(I really do believe) ジョーイ サムホェア(Joy somewhere)」とふりつきで歌い、踊った。

そう、私たちはどんなときも、どんなに離れていても、どこかに喜びがある、って、心から信じていく。
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by teenspost | 2009-12-01 12:23 | ♪渡り鳥の旅みやげ