子どもの感動を聴き取る大人に必要なものは

f0107724_2122276.jpg階段をドッドッドッドと駆け上がってくる音がする。
やってきたのは、隣家に住む小学校一年生の男の子。
「たいへん、たいへん!」息を弾ませて、いったい何事?
いきなり男の子は口を大きくあーんと開けてみせた。

「ほあほあ、は、は、ふけはんはよ…」
えっ、なに?歯が抜けたって!!
生まれて初めて乳歯が抜けた跡からは、すでに小さな永久歯がのぞいている。
「ねっ!! 今日、授業中に、抜けたんだよ!」
ついこのあいだまで保育園に通っていた子が「ジュギョーチュー」なんて言葉を発すると、ドキドキしちゃうな。

この数週間ぐらぐらして、いつ抜けるかと思っていた前歯は、授業中にぽろっと抜けて、思わず「抜けた!」と叫んだら、隣の子が「わー、抜けた!抜けた!」と一緒に喜んでくれて、さらには近くの席の友だちが血が出ているのを見かねて、ランドセルからテッシュをとり出して渡してくれたんだと。
ふーん、そりゃあ、たいへんだわ!

初めて歯が抜けるときの不安、そして、抜けた時の感動。
その一瞬一瞬の様子が息づかいとともにわくわくと伝わってきた。

「でもね、先生はムシだったんだ」と、サビシそうに言う。
エー!? そのとき先生はなにも言わなかったの?

なんでも、先生はイコウソチ(移行措置)で大変なんだとか。

学力低下やゆとり教育への批判を受けて、2011年から学習指導要領が改訂され、授業時間も学習内容も増えるため、その変わり目の移行期間にひずみがどっと出て、学校現場は大変なのだという。

だけどさー、子どもの感動から情緒のやりとりが広がれば、子どもたちの関係性と学びのイメージがぐーんとゆたかになるはずなのに。

ふと、愛娘の歯の抜けた口をアップにした忌野清志郎のCDジャケット(写真)を思い出していた。
by teenspost | 2010-05-24 21:35 | ♪徒然Sawanism