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マザー、ドゥ ユー リメンバー?

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ネットのニュースで「未成熟な親、相次ぐ虐待…10〜20歳代が半数」(読売新聞)という見出しが目に入った。
【厚生労働省が08年4月〜09年3月に把握した子供67人の虐待死を調査したところ、死亡時の実父と実母(計97人)の年齢層は「20〜24歳」が21人と最も多く、「25〜29歳」が20人、「19歳以下」が6人で、10〜20歳代がほぼ半数を占めた】と。

実は、私も私の娘もこの最多年齢層の20代前半で子どもを産んでいることもあり、イヤな記事の作り方だとうんざりした。
《20代までがほぼ半数ならば、単純にいって、30代以上が残り半数ということなんだけど。。。》

私が最初の子どもを身ごもったときのこと。
当時、親友の一人が米国に留学することになり、空港まで見送りにいったのだが、そこで友人の母親から、突然「あなたは人生を諦めないでね」と言われたことがある。

一瞬なにをいわれているのか分からなくて、でも帰り道、子どもを身ごもった私に言われたのだと分かったとき、腹が立っていたたまれなくて、帰宅するなり、米国に向かう空の上の友人にあてて、「あなたの母は、私にこんなことを言ったのだが、これから米国で留学して女性学を学ぶあなたはどう思うか?」という手紙を書いたことがある。

それからも、子どもが生まれて、まだ歩けない娘にファーストシューズを履かせてバギーに乗せて買い物に行った時のこと。
デパートのエレベーターに娘の乗るバギーを押して乗り込むやいなや、見知らぬ中年の男性から「靴をはける子どもを乳母車に乗せて入ってくるな!」と頭ごなしに怒鳴られたことがある。

その男性は夫婦と思われる女性を連れていたのだが、その女性も含めて、エレベーターに乗っていた人たちは誰一人なにも言わなかった。
あまりに突然のことに、その時の私はなにも言えなかった。
今なら、いくらでも切り返せると思うが、その時、なにも言えなかった悔しさは忘れられない。

そんな絶望的なエピソードは山ほどもある。

その娘だって、母になったある日、幼い子どもを連れて八百屋で買い物をしていたら、見知らぬ女性から「あ〜ら可愛い赤ちゃん、虐待しちゃダメよ!」と言われたと、「無神経にもほどがある」と憤慨していたことがある。

まったくもって、子どもに冷酷な社会とは、女に対して、母に対して、若さに対して、弱さに対して無神経で冷酷だ。想像力のかけらもない。

以前、とあるところで「最近のお母さんは子どもの抱き方も分からないらしくて、この間なんか、子どもの足が真っ赤になるまでキツく抱いていた人がいるのよ」と、したり顔で言う年配女性がいた。
同性の、特に若者を追いつめて足を引っ張る人はイヤでしゅ。

苦節●年、このときの私は、すぐに切り返せたね。004.gif
「その母親は、きっと子どもを落としちゃいけないと緊張していたのでしょうね。もっと、力抜いても大丈夫よ、と言われたら、ラクになれたでしょうね」と。

前述の記事だって、さも20代の母親が未熟でどうしようもないという造りだけど、そうじゃなくて、子育て中の若い女性に対しての周囲の理解とコミュニケーションと社会サポートが未熟なのである。
つまり“子どもの権利”意識が未成熟なのだ。

もっともっと、子育て中の女性の心情を想像して、彼女たちの思いを代弁したり、より良い対処を一緒に考えたり思いやる場所と人(アライ)が必要だ。

TEENSPOSTスタジオ悠では毎週木曜午後、ティータイム「ふらっと」(無料)をやっている。
子育て中の女性も、ほっと一息つきに、ふらっと寄ってくれたら嬉しい。
通常のプログラムには保育のサポートもついている。
(特に、シングルマザーは全面的に優遇!)

もっと利用してもらえるように、そして、もっと利用しやすいように、さらに心を配りたいと思っている。
by teenspost | 2010-08-04 22:15 | ♪徒然Sawanism