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必要な情報を届けずして若者を責めてはならない

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近所の公立中学校の図書室で骨粗鬆症についての話と無料骨密度測定会があるという知らせが町内会の回覧板にくっついてきたのは数日前のこと。
たいてい回覧板はハンコ押してお隣に回すだけなんだけど、妙に心に留まった。

理由その1:
2年前に母が骨粗鬆症による圧迫骨折がきっかけで要介護となり、機会があれば自分の骨密度測定をしてみようと思った。

理由その2:
散歩途中にある中学だけど、関係者以外はなかなか中に入れない昨今、しかも図書室にいけるなんて面白そう。興味津々・・・

理由その3:
今回の催しは保健所による地域保健のいわばアウトリーチ事業であり、ふだんアウトリーチをしている自分が受ける立場になることで学ぶことが多いだろうと思ったから。

かくして、夏休みの静かな中学校へと出かけていったわけである。

骨密度測定のまえに、1時間は情報教育。
パワーポイントを使って、保健師さんから骨粗鬆症とがんに関する予防啓発の話があり、続いて、栄養士さんから予防のための食事指導があった。

まあ、大人に関しての話は常々耳にし、日常生活で心がけていることばかりだったので、つい図書館の面白そうな本を書棚から取り出して眺めたりして、《そうそう、興味がわかない話はついつい別のところに気が回るよねー》と、よく学校で教師から「聴く態度ができていない」と言われる生徒の気分。

だが、10代や若者に関しての話は初耳も多く、身体は正直、次第に耳を傾けていた。

今日の参加者は大半が65歳以上の高齢者なんだけど、なぜ、10代や若者の話になったかと言えば、そう、骨量というのは一度減ってしまうと増やすのはなかなか難しい。
しかも人の一生で10代こそが骨量の増える、骨を作る時期であり、女子は中3、男子は高2というのが、成人の骨量に達するときなんだそうだ。

最近の都民の調査では、日常のカルシウムの摂取量は、昨今の健康ブームもあってか、高齢者ほど高く、若年層ほど低いんだそうだが、減ってしまってからあわてて摂取してもあまり意味はない。
さらに、骨の生育には、食べ物も大事だけど、運動と日光に当たることも欠かせない。

で、終わってから、保健師さんに、「今日みたいな話は直接、小・中・高校の子どもたちにはしないんですか?」と尋ねたところ、「まだ機会がないのですが、やっていきたいんですが…せめて、子どもを持つお母さんたちに知ってもらいたい」という。

思わず私は「いやー、小学生も高学年にもなれば、親の言うことより、友だちの話やメディアの影響に耳を傾けるでしょう。それになにより、自分の身体に関して必要な情報を子ども自身が得るというのが、子どもの権利…」とついつい話し込んでしまった。

心のことだけじゃなく、コミュニケーション、性のこと、身体のこと、携帯やネットの使い方など…子ども自身に必要なヘルスケアの情報を届ける努力をしないまま、大人がコントロールすることだけを考えて、ときになだめ、ときに説教し、その上で問題が起きたときには、子どもたちを責めるという構造をなんとかしなきゃならないと思うのである。

そういや、以前、米国の調査報告で虐待やいじめにあうことで骨の発育が阻まれるということを読んだが、暴力のない安全な環境はまずその前提だ。
大人が着手するべきことは、そこです。

さらに若者たちには、

大人社会がつくりあげたメディアが流す理想の体型なんかに自分を合わせようとしたら、肉もつかないけど、骨もつかない、骨がないとね〜、服きれないし〜、カルシウムね〜♪とか。
ひきこもって昼夜逆転のときも、深夜のエクササイスと日光浴で昼寝しよう〜♪とか。

そんなアウトリーチも必要なんじゃないの?

さて、生まれて初めての骨密度測定結果は、「20歳成人男子とほぼ同じ」という信じがたい数値が出た。
ウソっ! 013.gif超音波測定器、壊れてない?023.gif
保健師さんから「なにかやってらしたんですか?」と聞かれて、絶句。。。008.gif

そうですねー、十代の夏休みは、ダイエット等まったく考えたこともなく、体育会系は肌に合わないので部活は一切やらず、音楽や8ミリ映画づくりにのめりこみ、夜も寝ないが昼も寝ない、ときおり泥のように眠っては、起きるやいなや家を出て友だちとあてもなく街を彷徨って、親を呆れさせておりました。

なにもやらないということが、意味のあることだったのか。(いまだ半信半疑…)
by teenspost | 2010-08-20 14:50 | ♪徒然Sawanism