ルパンさんが届けたもの : 汝自身に真実であれ

f0107724_21505591.jpgルパンさんの12ステップセミナー&ミーティング「アンプラグド」が、今週末の9月4日(土)で最終回となる。
言葉に書き尽くせないほど万感胸に迫るものがあるが、ここに記しておきたいと思う。

思えば8年前の夏のフェスタにゲストで来ていただいた折り、帰り際にエレベーターホールでご挨拶した際に、思いがけず「僕を役立ててください」と過分な言葉をいただいた。
ルパンさんとは、それ以前にも、横浜の寿町に伺って依存症のサポートについて助言していただいていたのだが、何せ横浜で最長のソーバー(回復)暦を持つ、AAで知る人のいないルパンさんという存在は、私には畏れ多い存在だった。

それに依存症業界に限らないけれど、ある種の同族が集うコミュニティというのは、正直言って、外部の人間に壁を作ったり,閉鎖的であることが少なくない。

でも、ルパンさんはちがった。

ある日、思い切って「スタジオ悠で是非ステップセミナーを開きたいので、メッセージを運んでいただきたい」とお願いをした。
今思い出しても、冷や汗が出るが、それくらい切羽詰まっていたことも事実だ。

スタジオ悠で初めてステップスタディーが開かれた日のことは忘れられない。
それまでも米国のヘイゼルデンで研修を受ける中で回復者が語る体験談とそこから紡ぎ出される12ステップ哲学には何度も圧倒されてきたが、ルパンさんの口から発せられた言葉の一つひとつは、体験に裏付けられた揺るぎない日本語の12ステップ哲学そのものであった。

いつだってAAや依存症の回復施設に行けばステップスタディーはやっているかもしれない。
でも、もっと身近に、多くの人に12ステップ哲学が浸透していくことの意味は大きい。
事実、ルパンさんのメッセージを耳にすることで、AAにつながっていったメンバーもいた。
ルパンさんは、そのボトムアップをしてくれたのだ。

「依存症の涙と言葉は信じない」というミニー神父の名言があるけれど、回復者の言葉の力はなにものにもまさる。
さらに、ルパンさんは回復というものがなんなのか行動で示してくれた。

毎月第一土曜日には、必ず手みやげを持ってきてくれるのだが、茶菓子、鉢花…ちょっとしたことなんだけど、仲間を思う細やかなそれでいてさりげない心遣いがいつも感じられた。
あるときは、歌うピアサポートTINGOS!のクリスマス会で、メンバーと並び、歌本を片手に一緒に歌う姿もあった。

涙も言葉も偽って心も閉ざすのが依存症という病の症状だとしても、回復することで、心から他者の中に入って心を開き、他者と共にただ存在することができるんだ。
それを可能にするのが12ステッププログラムなんだ。

f0107724_1454453.jpgルパンさんに伝えたい気持ちを少しでも言葉にしたいと思って書き始めたが、ルパンさんがこの場に運んでくれたことへの、この有難い気持ちをとても言葉にできない、というのが正直なところ。
そして、今は、ほんとにさびしい。

TO THINE OWN SELF BE TRUE
汝自身に 真実であれ
by teenspost | 2010-09-02 22:01 | ♪スタジオ悠々日記