なかなか素敵な幸せを届けるボランティア

「よく20年も続きましたね。信じられない」と言われる。
一番,信じられないのはこの自分だったりする。
が、気がつくと、開設20年。

今いるビルは2軒目のスタジオ悠なのだが、今月末で12年目の更新を迎え、先日,不動産と大家さんから「沢山の会社・事業所が入っているけど、おたくが一番長い居住者です」と言われた。
うーん、これまた信じられない。

振り返れば、日本でもまだNPOなんてものの存在がまったく知られていない頃から、NPOの事業デザインで、しかも、今でも一般的にほとんど通用しない「社会モデル」で運営してきた。

そこでキーワードとなったのは「自立」と「自発性(voluntary)」だ。
voluntaryには、【自発性、ボランティア、自由意志、任意、自由演技、即興曲…】 深く広い意味があるが、
そう、だれにいわれるのでもなく、あったらいいな、というものを何もないところから人と一緒に楽しく創ってきたわけだ。

そうして運営してきたのが「依存をあおらない相談・自立支援事業」・・・って、これが口で言うのは簡単だが,やるのはほんと苦悩と葛藤の連続。

人と一緒に楽しく苦労してきたわけだね。

でもね、長くなってくるとね、まあ、いろいろあるね。
特に、この数年は、もう勘弁してくれ〜と隠遁したくなるほどの激震の連続。

f0107724_23115375.jpgそんなとき、最近読んだ本で、田中優さんの「幸せを届けるボランティア 不幸を招くボランティア」、これが面白かった。

ご存知、田中優さんはこのところエネルギーシフト問題で全国各地引っ張りだこのようだけど,この河出書房の「14歳の世渡り術」シリーズの一冊は、著者のライフストーリーと体験から、十代と若者世代に向けて記されたもの。
読みながらTEENSPOSTの20年の歩みを確認しつつ、とても勇気づけられた。

タイトルにもある「不幸を招くボランティア」とは、際限なく依存心の強い人を生み出す一方で、依存されることで充足するボランティアのこと。
共依存関係である。

阪神淡路大震災での災害ボランティア体験の現場を振り返って、田中優さんは言う。

「心理的なサポートは必要だが,過度な干渉は人々の自立心を妨げてしまいがちになる。
…だから、あえて嫌われても、被災者自身が自分の力で生きていくための方策を選択せざるを得ないことがある。
相手のこと,相手の今後の暮らしを考えれば考えるほど、ボランティア活動の作り出す依存関係に注意しなければならなくなる…
援助は必要な人たちに必要な間だけすべきものだ。
いつまでも続ける支援活動は健全なものでない」と。

災害支援も子育ても、自立支援とは、「手をかける」ことより「手を放す」ところに正念場がある。

さて、明日は渋谷の代々木八幡にある美容室で、シネマミーティングをやる。
私はミニトークをさせていただくことになっている。
店主カップルは北海道出身で20代、もうじき第一子が生まれる。
以前,タイ映画「デック 子どもたちは海を見る」のチャリティ上映もしたことがあるのだが、美容室でイベントするというのは、なかなか素敵な幸せを届けるボランティアだ。

また、ちょうど同時刻、スタジオ悠では秋に開催予定の「TPまつり実行委員会」第一回が開かれる。
こちらも、人と一緒に楽しく苦労する「幸せを届ける素敵なボランティア」になりますように。
by teenspost | 2011-06-17 23:29 | ♪徒然Sawanism