書けば,元気の泉わく

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この10年で、鉛筆やペンや筆記用具を持って書くという作業は、仕事でも日常でも、どのくらい減っただろうか。
・・・とこの文章を書いているのは、パソコンのキーボードであるわけだ。

それでも今日は,朝,宅配食料品の注文用紙を鉛筆で記し、宅配便の受け取りサインをポールペンで署名し、ひさしぶりに万年筆をもって全国のサポート会員さんあてに一言ずつメッセージを書いた。

そして、来週の土曜から始まるレターカウンセリング講座(詳細はこちら)の準備をしていたら、1999年のニューズウィーク日本版の記事が出てきた。

タイトルは「書けば,元気の泉わく」

それは米国誌の医学記事の日本語版で、米国医師会雑誌JAMA(The Journal of the American Medical Association)に辛い体験や悩みを記述することで、ぜんそくやリュウマチや不眠、高血圧…といった慢性疾患や心身症が改善するという研究報告だった。

なぜ書くことが心身に良い影響を与えるかというと、「記述という作業によって、苦悩を客観的に捉えられるようになるからだ」と。

確かに、それは長い間のレターカウンセリングで経験的に実証されているし、辛い体験を本に書くことで自己免疫力がアップした人の話や、日記や架空の人に手紙を書くことで大変な子ども時代を生き延びた人の話や、その例には事欠かない。

米国の高校で書くことで自己信頼を回復していった生徒たちの実話、映画「フリーダムライターズ」も思い出す。

「書く」ということで、辛い体験や苦悩と「自己」の関係が変わるからだろう。

辛い体験や苦悩が消えてなくなるわけでなくても,それに支配されたり押しつぶされたり左右されたり心を占領されるのではなく、問題を「外在化」するという、まさにナラティブセラピーの原点だ。

おそらくそれは、意思の力ではコントロールできない自律神経にも作用するだろし、その記事には、血液中のリンパ液が増えるという実験データも紹介されていた。

そうして、文字として記したものを「読む」という作業は、「書く」と同じかそれ以上に、個々の内面から癒しを生み出す。

パソコンでもそれは可能なんだけど、手書き文字は、動揺すれば文字も揺れ、温かさ、愛おしさも伝えられる。

しかしそれにしても、私たちはこの十年、その作業を文明の機器、通信メディアの変化に、無意識のうちにいとも簡単に譲り渡してしまったのではないだろうか。

トレーニングジムやヨーガスタジオで意識してエクササイズしないと先進国の人間の基礎体力が退化するように、いまあらためて「書く」という精神&肉体エクササイズを意識して取り戻すことが必要だと思う。
by teenspost | 2011-09-09 23:12 | ♪徒然Sawanism