アート表現がもたらす恵み

スタジオ悠のプログラムに参加する方の保育サポートとしていつもお世話になっている「町田こひつじ保育園」の造形展にプログラムの合間のお昼休みにうかがった。
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造形表現活動の長年の取り組みで有名な町田で最も古い保育園。

市内の小学校で図工の時間に自由に表現する子どもがいると、「きっと、こひつじ保育園の出身だね」という会話が子どもたちの間で自然に交わされるという話を耳にするほどだ。

子ども期に評価と無縁のアートの世界を知ることの意味は大きい。

絵画、造形、歌唱、スピーチ…と、子ども時代の集団生活の中で評価されることによって苦手意識やコンプレックスを抱く大人は少なくないが、それが人間の表現活動を人間関係とともに育てる本来の「表現教育」とは別物だということに気づいて、自己表現を回復しなければ、次の世代にも同じことを繰り返してしまうだろう。

7月からネット上でポール・キベルさんの著書「Boys will be men」の翻訳テキスト読書会をサポート会員有志で続けているのだが、若者たちの暴力を抑止し、愛と思いやりを持ってあらゆる生命と相互依存する多文化共生社会ために著されたこの本には、次のようなくだりがある。

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若者は文化活動に参加することで、伝統文化を共有する人や若者文化を共有する人とつながりながら、交流の場を広げる。
ビジュアルアートや、表現活動、詩、創作活動、ダンス、キルティング、落書き、音楽はどれも人間が持っている創造力の表現だ。
それらは私たちをワクワクするほど元気づけ、癒し、回復させ,結びつけ、何かを伝えてくれる。

少年たちは、もしかしたら孤独で自己表現を押し殺しているかもしれない。
でもペン、筆、ペンキ、ドラムやギターを持たせたら、その場で自分を表現するようになる。
他人と関わり交われるようになる。
そして自分の殻から外に出て、学校や地域での出来事に関心を抱くようになる。

…(中略)…

音楽やアートを学ぶことは自己修養が要求される。
感情表現を磨き、同じ楽器を弾く人や同じアートの手法をとる人たちとつながり、芸術で人々の生活を活性化させた先人たちの仲間入りをさせる。

若者向けのプログラムとして非常に効果的だったのは、パフォーマンスグループ、音楽グループ、壁画プロジェクト、草の根アートプログラムなどだ。

…(中略)…

芸術表現はプロのためだけにあり、一般の人は鑑賞するだけだという考えを大人たちが捨てればこれほどすべての若者の力となることはないだろう。

だれもが能力に応じて芸術的才能を伸ばす資格がある。
芸術や文化活動を通して考えや感情を表現する能力を養うことほど有益なものはない。

自分自身の芯をもって、この世界に表現の場を得て、のびのびと自己表現ができる若者は、敬意と自尊感情とやさしさに溢れた関係を他者と共に築くだろう。


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by teenspost | 2011-11-13 11:01 | ♪徒然Sawanism