子どもに寄り添うという仕事

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Mちゃんがスタジオ悠に来るようになったのは、もう12年前くらい前のことか。
女性自助グループのメンバーと自立ツアーに参加したり、アサーティブトレーニングを受講したり、
素足をイスの上に投げ出して、いつも淡々と飄々としている姿が印象的だった。



その後、自らの体験を生かして性暴力被害の子ども支援のガイドブックをつくったり、子ども支援一筋に歩いてきたMちゃんだ。

久しぶりにMちゃんから電話があったのは初夏のこと。
なんでも、いまは児童養護施設の職員をしているという。

そこで暮らす高校生にコミュニケーションのワークを夏休み中にしてくれないかということだった。
このところ、いじめ事件の報道に子どもたちも反応しているらしい。

で、先日、Mちゃんの勤める施設を訪れて、そこで暮らす高校生たちとセッションをしてきた。

気持ちを表すのは不得手だという高校生たちと、絵を描いたり色をつけたり、そう、夏休みだもの、ワクワク楽しいこと、お腹かかえて爆笑することからはじめたい。

そうして、自分を大切にする手を描いたり、新作「感情トランプ」で七並べをしたり、アサーティブのペープサートをつくったり。。。ユニークで工夫に満ちた作品ができあがった。

その中で、彼らの言葉のはしばしから、どんなに友達や家族を思っているか、心の声や深い気づきが自然とあらわれてきた。
それは、彼らが十何年という人生の中で簡単には言葉や意識に出せないほどの人間模様や沢山の感情体験をしてきていることを物語っていた。

その傍で、Mちゃんが空気のように寄り添い、適度な距離と温かなまなざしで関わっていることが、とても嬉しかった。

Mちゃんの車で送ってもらった帰り道、Mちゃんはハンドル握りながら「なんだか、いつも、これでいいのかなー、って迷いばかりで。ついつい、自分のこと忘れて、やりすぎちゃうし。」と弱音を吐いた。

ほんとにねー。対人支援、とくに子ども支援は、正解もないし、思うように行かないし、いつも迷い道だねー。

Mちゃんの車のナビは迷うことなく目的地に案内してくれた。
「今度また、昼寝しに、うかがいますね」と微笑むMちゃんと別れた後、ふと思う。

いま世界中にMちゃんのような子ども支援者がたくさんいるんだよなー。

何よりも家族を求めている子どもたちに、その家族に代わるという、困難な仕事を選んで、まよいながら、へこみながら、それでも、笑い飛ばしながら、子どもに寄り添おうとしている人たちがいる。
それは、何十年も先、いや何代も先にようやく成果が見えるかもしれない地味だけど、大切な仕事だ。

二学期を前に子どもたちの心が揺れる季節に、初秋の風がそよいでいる。
淡々と飄々と。。。
by teenspost | 2012-08-22 14:08 | ♪徒然Sawanism