熾火(おきび)のように

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各地のアサーティブトレーニングでもテキストとして使用している「こじれない人間関係のレッスン 7daysアサーティブネス」が今月また重版されると出版社から連絡があった。




9.11直後に書いた10年前の初版から、出版社が変わって改訂版を出し、通算7刷になるか。

「熾火のような静かで着実な広まり方が頼もしい限りです」という言葉をもらった。

「熾火(おきび)」という表現がありがたいなあ、と思った。

暖をとるエネルギーが、電気、ガス、石油…にとってかわって久しい。
何が燃えて温かいのかさえ見えなくなってしまうのって、セントラルヒーティングとか言ったって、なんだか心もとなくてサブい。

たぶん、私は小学校で石炭ストーブがあった最後の世代かな?

当時、渋谷区立の小学校でも、日直の重要な仕事は朝少し早めに登校して、クラスメートと2人で校舎の裏手からバケツ一杯のコークスを運ぶことだった。

低学年の頃、着火や消火は担任の先生がやってくれていたと思うが、火の始末をそばでじっと見つめながら、温かな場所に寄ってくる友達と先生と話をするのが楽しかった。

先生はクラスの子どもたちの給食用の固い食パンをストーブの上で軽く焼いてトーストにしてくれた。すると、マーガリンがとろけてパンに沁みた。

小学校三年になると、あの悪名高き脱脂粉乳から週に数回、牛乳が出るようになって、その牛乳瓶をストーブの上で湯煎にして温めてくれた。すると、ほんのり甘みが増した。

放課後、火を消して、用務員室の脇の焼却場へ持っていくのだが、それでも、火は燃え続けていた。
まだまだ温かかった。


「熾火(おきび)」とは、静かにじんわりと長く燃え続ける状態で、時折、パチパチと火がはぜるが、 薪などが燃えて炭火のように見える、その状態が一番温かさが長く持続するという。


その熾火(おきび)のようなテキストで、久々、アサーティブ・トレーニング5daysをホームグラウンドStudio悠で開催する。

出前では、どうしても1dayや2daysの依頼が多く、その中でベストを尽くすが、本来のアサーティブ・トレーニングの醍醐味は、ゆっくりと時間かけて、学びを通じて、参加者同士のアサーティブな関係が生まれるところにある。

立春とはいえ寒の戻りが残る中、熾火(おきび)のように、温もりたい。
by teenspost | 2013-02-05 11:08 | ♪徒然Sawanism