色とりどりの石が光り輝やいた日

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母方の叔母の暮らす家のそばに小さな川があった。
都会の汚れた川しかみたことのなかった子どもの私は、その川の美しさに息を飲んだ。





川の中で数え切れないほどたくさんの色とりどりの石が光り輝いていた。
<宝石だ!>
私は、赤、黄、緑、青…光り輝く石を拾い集めて、日向に置いた。

しばらくして石は乾くにつれ、輝きを失い、ただの小石になっていた。

光と水と風と土の全てが輝きを生み出していたのだ。


その叔母が先日91歳で他界した。
農家でたくましく働きつづけ、病で体が不自由になった晩年は施設で過ごし、歌をよみ、一冊の歌集を自費出版していた。

その前書きには、十代の初めに短歌と出会ったことが記されていた。


…施設でベッドの生活がはじまり、その中から短歌の世界が広がったように思います。

歩けなくても、思いを巡らせ、時を超え、若い時の自分にも幼い時の自分にもなれ、人の歓びも哀しみも自分のことのように感じることができました。

そして、一番に思うことは、私の心を救ってくれていることです。

表現することによって私の心の思いが外に示され、自分自身の一部を眺めることができたからだと思っています…




遺作の歌集の叔母の言葉に、あのキラキラ光る石の川の光景を思い出している。
by teenspost | 2013-05-27 11:22 | ♪徒然Sawanism