ポケットに手を入れて

今日は午後「ひきこもり研修会特別編 こじれないコミュニケーション講座」と題する講演会のため、相模原保健所に向かった。
相模原名物の桜並木はいまにも花開きそうなほど、2月とは思えない温かさだ。

子どもの頃、1月、2月といえば、東京でも池に氷がはったり、その上で氷割りして遊んだものだった。
学校のストーブは石炭で、毎朝、日直当番2人がバケツに石炭を入れて、教室に運んでくるのだった。
昼には、そのストーブの上に担任の先生が子どもたちのパンを置いて、トーストを焼いてくれた。
毎日45枚も焼けるわけじゃなく、数人ずつ順番だったから、冷たく固くなったマーガリンがトロリとろけるトーストが食べられる日が待ち遠しかった。

そういや、当時、ポケットに手を突っ込んで歩いていると、養護教諭の先生に注意された。
「ポケットに手を突っ込んだままだと転びやすいし、そのまま転ぶとヒドいケガをするから」というのが理由だった。

ポケットに手を突っ込んだまま、パタンと転び、顔面つっぷして、大ケガする自分と友だちの姿を想像してみたりもした。

だが、そんなこといわれると、余計にポケットに手を突っ込みたくなる性分もあって、ポケットに手を突っ込んだまま全力疾走で駆けっこしたり、校庭を飛び回ってみたりした。
やってみると、特に転びやすいわけでもなく、転んでヒドいケガをする友だちもいなかったように思う。

そういう様子をじっと見ていた隣のクラスの担任は「痛快なやつだなあ」と言って、大声で笑った。
「痛快」という言葉の意味は分からなかったが、そう言われることをなんとなく気に入っていた。

それでも、学校の中では禁じられる場面もあり、仕方なくポケットから手を出し、その代わりセーターの袖をだらんと伸ばして、その中に両手を忍ばせて寒さをしのいだ。
セーターの袖は限りなく伸びて、やたら手の長い子どもたちが校内をうろうろしていた。
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今朝、散歩していたら、近所の小学生たちが、その“セーター袖長星人”で歩いている姿を見かけた。

いまも、ポケットに手を入れるのは禁じられているのだろうか。

今はもう誰にとがめられることもなく、温々とポケットに手を突っ込んで歩ける。
そのポケットの温もりを感じていたら、子ども時代の冬の情景が次々とよみがえってきた。

今日、東京地方は初雪のない冬として最長記録を47年ぶりに更新した。
by teenspost | 2007-02-10 22:51 | ♪徒然Sawanism