東京タワーとベロタクシー

桜の季節が終ったと思ったら、あー初夏だ。さわやかな初夏だ。

今日は東京タワーに行った。映画じゃなくて、東京タワーの展望台に登った。たぶん小学生のとき以来である。

晴れ渡る空が広がる東京を見渡す爽快感とともに、このところの急激な開発による変貌ぶりに寂寥感もわいてくる。
古今東西、権力者とは高いものデカイものを作りたがるものだが、こんなに高いところから模型のように小さくなった街並やアリンコのような人間を眺めていると、物の見方が変わるんだろうなと思った。

東京タワーへ行くために乗った都営地下鉄大江戸線など足腰しっかりした人じゃなきゃ利用できないようなアクセスで、高齢者や障害者や子どもの足などまったく考えていない造りだ。

東京タワーに到着するまでに散々うんざりし、ふとサンフランシスコの地下鉄バートで、車イスや自転車に乗る人が発車間際にスイスイっと一直線で地下鉄に滑り込んでくる場面を思い浮かべた。
階段どころか、ホームと電車の段差すらない。
あれが当たり前になる日はいつなのだろうか。

東京タワーの帰り道、浜松町までベロタクシーに乗ってみた。
一度は乗ってみたいと思っていたが、今日が初乗車、初体験。
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ベロタクシーとはラテン語「VELO=自転車」に由来する自転車タクシーのこと。
タイのトゥクトゥクとか、東南アジアでは当たり前の乗り物だけど、1997年ベルリンの環境保護運動から始まり、日本では2002年京都で始動、いまや全国的に広がっているNPO組織による環境保護と社会変革運動だ。

以前、京都の嵐山でフンパツして人力車に乗った時も感動したが、ベロタクシーは庶民的な料金で、かつ、生きものとして目線と動きとコミュニケーションで豊かな時間を取り戻すのに最適だ。
ドライバーは「楽しむこと、楽しませること」をモットーに、乗客だけじゃなく道ゆく子どもたちにも温かな言葉をかけ、手を振る。
どんな小さな段差でも、「ちょっと揺れるので気を付けてください」とその度に声かける。
考え事して歩いたり、自家用車やタクシーを使ったんじゃ見逃してしまう都市の歩道の不整備をからだで感じとる。
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ベロタクシーに揺られて、初夏の匂い、若葉の彩り、木立の合間の青空、出店のアイスクリーム屋に並ぶ人々の表情、微笑みを返す親子連れ…街の風景、人の営みを眺めると、すべてのいのちが関係を紡いでいく、あたりまえに変わりなく存在する世界に、心が安らぐ。

東京タワーは、それを傲慢に見下ろすのではなく、見守る存在であってほしい。
by teenspost | 2007-04-14 22:05 | ♪徒然Sawanism