嫉妬深い恋人と爆発のメカニズム

先日、ファーストフード店のカウンターで注文していたときのこと、そこで働く若者たちの姿が異様に目に映った。

以前は、作り置きしたものを販売していたハンバーガーショップだが、最近は注文が入ってから作り始めるとかで、まあ、それはそれで売れ残りの産廃処分も少なくなるだろうし、できたてを食べられるしで、結構なことなんだけど、それでいて時間の早さは今まで通り要求されるわけだから、注文した食べ物が届く前に、なにやら殺気立った空気がキッチンから流れてくるのである。

目を凝らしてみると、キッチンでは最高速度の機械と化した若者たちが立ち働いている。
チャップリンの「モダンタイムス」の名場面をさらに高倍速にしたような光景だ。

カウンターの若い女性は、「一瞬でも早く、間違えなく」という過剰な緊張感で挙動不審、手が震えている。そうすればするほど、客の注文が耳に入らなくて、オーダーミスが続いていた。
機能不全な悪循環だ。

この店で働く若者たちは時間と引き換えにお金を得るだけじゃなくて、「感じるな、考えるな」と、大切な感性や自立的判断力を奪われていくのか…と思うと、ハンバーガーが胸につかえるのである。

これは、ハンバーガー屋に限ったことじゃない。
ハンバーガー屋はたまたま目に見えただけで、グループカウンセリングで耳にする若者たちの労働状況は、年々、厳しくなっている。

それは、管理職である大人たちが、仕事、関係、学び、・・・生きること、それらの本質を見失っているからで、当然、「若者たちにとって、学校以上に学べる場が仕事なんだ」という意識が欠落しているのだ。
既成のシステムに組み込んで過剰適応させることが仕事ではない。
その養成所が学校教育じゃない。

一昨日、厚生労働省の発表によれば、過労や業務上のストレスによる自殺で2006年度に労災認定された人は、過去最多の66人だったそうだ。
精神疾患で労災請求した人は4年前の2倍以上となり、これまた過去最多。
年代別では30代が最も多いという。

過労死やウツ、ひきこもりを招く、仕事依存、業績主義、完璧主義とは、よく「嫉妬深い恋人」に例えられる。
「よそ見しないで。私とだけいつも一緒にいて。失敗したら許さない」という恋人にしがみつかれるほどつらいものはない。
そういう嫉妬深い恋人の要求に応えている人とつきあうのもつらい。

…このまま一生、この苦しい状況が続くのかと考えたら、つらくなるんです。だから、つらさから逃れるために、リセット作用が働いて爆発する。リセット作用でチャラにする。それが爆発のメカニズムなのです…
(「降りていく生き方 〜べてるの家が歩む、もうひとつの道〜」 横川和夫=著、太郎次郎社=刊)


f0107724_9544846.jpgこれは、長年ひきこもりと家庭内暴力を繰り返し回復の途についた青年が当事者だからこそ研究分析しえた爆発の心理だ。

さらに当事者は語る。
…いままでの研究でわかったのは、語るというスキルがなかったから、ネガティブな習慣を心のゴミ箱にため込んで、なにかの認知障害によって爆発に作用し、ひきこもってきたのです…

仲間の中で、つらい、苦しい、とありのままを語るうちに、
病気なのに、こころが健康になってきた!!


おすすめの一冊です。
by teenspost | 2007-05-17 10:01 | ♪徒然Sawanism