弱さへの共感

名古屋市男女平等参画センターとの共催で開かれた「NACピアサポートセミナー 生き難さはしあわせのカギ」にはたくさんの方が足を運んでくれたそうだ。
11時からのドロップイン個別相談には8名の女性が訪れ、引き続き午後からのセミナーには40名の女性たちが集い、ミーティングは2部屋に別れて分かち合いがなされたという。

女性の生き難さをそのまま分かち合える場所を求めている人がいかに多いかということだろう。
「名古屋にNACが誕生する!」と報告してきたNACのメンバーの声は嬉しそうだった。
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その日、スタジオ悠では「女性のための非暴力SPAプログラム」で盛り上がっていた。
今回のテーマは「身体の肯定、再評価」だ。

小さい頃、どんな玩具で遊んだか?
バービーやリカちゃん人形はどんな身体イメージや家族幻想を与えたか?
思春期には、セクシュアリティについてどんなメッセージを受け取ったか?

分かち合いの中から、女性たちが小さい頃から、自分の身体を否定する情報や攻撃をたくさん得てきたことが浮かび上がる。

こういった攻撃を受ければ受けるほど、「どう頑張っても誰も適応できない身体イメージ」を取り込むわけだが、その代償は大きい。
それに対して怒りを感じるどころか、適応できなければ価値がないという自己評価を自分の内に植え付けるからだ。

それがさらに「内面化」されると、自分の身体を審査しコントロールするだけなく、別の女性と身体を比較したり、「細いの,太いの,大きいの,小さいの…」と、うわべだけを捉えた無神経な話題に違和感なく加われるようになる。
傷つけること、傷つくことに鈍感になる。

こうして身体へのとらわれは、自分自身とのつながりも同性同士のつながりも分断する。

日常的によく起こるそういう場面で、どうやって味方や連帯になれるだろうか?

いくつかのロールプレイを通じて、味方や連帯を得ることの安心感を味わってもらった。

ありのままの身体を肯定することは、ありのままの感情を認めていく原点でもあり、何よりの暴力予防である。
また、傷ついている人,攻撃を受ける人を見て見ぬフリをするのではなく、手を差し伸べる勇気や、味方として寄り添える関係性をつむぎ出すことが、このSPAプログラムの重要なテーマである。

f0107724_16522517.jpg自助グループもまた、同じ傷みを持つもの同士が集う場所であるけれど、ならばこそ、そのなかで、自分自身が内面化してきたモノサシや否認を解いていくことなくして、安全な場は保てない。

自分が傷ついてきたモノサシを認め、人と人との違いを優劣にする「比較評価」という攻撃を手放し、弱さへの共感や、まっとうな怒りや違和感や生き難さを感じる感性を取り戻していく過程で、安全な世界がほのみえてくるだろう。

そういう場所はどこかで誰かが用意してくれるわけではなく、同じ傷みを持つ者同士こそが、共に創り上げられるのだ。

「誰かが誰かを教育するのではない。
 自分を自分ひとりで教育するのでもない。
 人は自らを教育しあうのだ、
 相互の関わりの中で。
  パウロ・フレイレ」


●10/13(土)からは、お待ちかね、障害者自立生活ムーヴメントの先駆けとなった近藤秀夫さんと樋口恵子さんを招いて、ピアサポート塾「しあわせ学 連続講座」がはじまります。
詳しくはこちらをご覧下さい
by teenspost | 2007-10-07 17:54 | ♪徒然Sawanism