うちあたい

宮古は「おとおり」と呼ぶ、酒杯をまわしのみする伝統的儀式で有名なところだ。
アルコール依存症の予防啓発とその土地の文化風土は、時にぶつかりあったり、せめぎあう。

だが、実は、依存症とは近代文明のもたらす病である。
急速に近代化の波がおしよせる島々に、人が人として生きていくことを阻んでいく効率優先主義がしのびこみ、人の心を抑圧していくところで、この依存症は繁殖する。
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沖縄には「うちあたい」という言葉がある。
「自分の内面にあたった」という内省を意味する、私の好きな沖縄言葉の一つだ。

なんて繊細で人間らしく誠実な言葉だろう。

今回の旅の中で、ティーンからも大人からも、この言葉を耳にした。

依存症の予防と回復は、「感じるべき痛み」という最も人間らしい感性と、そこから取り戻す古代の身体性にかかっている。

追記:
今日「宮古島市働く女性の家ゆいみなあ」での講座を終えた後、沖縄の新聞を見たら、一面トップに、43年ぶりに実施した全国学力テストの結果、沖縄県の公立校の平均正答率は、すべての教科で全国最低の数値だったという文部科学省の報告が出ていた。

沖縄の人たちは、先日の教科書問題で沢山の人たちが抗議の声を上げたように、「教育」への関心がとても深く熱心だ。
書店に行けば、教育関係の本は内地よりも沢山積み上げられている。
そこにこういうかたちで数字が出されることに、困惑する。

学力とは? ゆたかさとは? 
次代と共に真剣に考えなければならない。
“うちあたい”することのない薄ら寒い近代化の波に飲まれて溺れないように。
by teenspost | 2007-10-25 17:05 | ♪徒然Sawanism