ぶっつけ本番のライブ

今日は川崎市立川崎高校の全校700名の生徒さんたちと「ティーンのための人間関係のレッスン コミュニケーションってなあに?」と題したワークセミナーをしてきた。
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90分のほとんどをTINGOS!ではお馴染みの歌って踊る児童福祉士ブルースに手伝ってもらった。
冒頭で生徒さんたちに「今日は私の友だちを連れてきました。この人の職業はなんでしょう?」と尋ねると、いきなり「ミュージシャン!」とか言われて、ブルースはニンマリ照れておる。
続いて「芸能カンケー!」とか、《うーん、惜しいね、歌は歌うけどね》、「メガネ屋さん!」とか、《おもろい》・・・場内騒然となったところで、「人は見かけじゃ分からないねー。この人は児童相談所で働いています」というオープニングではじまった。

高校で、しかも今回のように全校生徒何百人を前に話すときには、誰かに相方を頼むことにしている。
それは、一方的に一人で話すだけじゃ、コミュニケーションというテーマにそぐわないからなのだが、だからといって、何百人と一人で相互交流というには限界がある。
そこで、誰かとライブでやりとりしている場面を見てもらうことにしているのだ。

特に共学の場合には、生まれも育ちも職業も異なる女性と男性が対等に恊働する姿を見てもらうという意味もある。
なかなかねえ、女と男が対等に恊働する大人のモデルって、哀しいかな、いまだ身近になかったりするのである。

終ってから、ブルースは「今日は、どうやって距離をとったらいいか、探り探り、なかなか難しかったよ。でも勉強になった」と言った。
そう、リハーサルも打合わせもほとんど無くて、ぶつつけ本番でやるから、この「相方」はなかなか大変なんだ。
だけど、コミュニケーションというものは、いつもリハーサルなしのぶっつけ本番のライブなのだ。

先週の広島の中学でもそうだが、きもちやコミュニケーションについて話す時、私は古着屋で見つけたお気に入りのTシャツ(右下)を着ていくことがある。
これは、英語圏では有名な「How Are You Feeling Today?」(左下)というポスターの中国語版で超レアもの。
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民族・国籍・性別・年齢を問わず、「今日のあなたはどんな気持ち?」と、自分自身の感情に向き合うことから、コミュニケーションははじまる。
by teenspost | 2008-11-26 21:55 | ♪徒然Sawanism

ただいま発売中のananの36ページあたりに、ひと月ほど前に取材を受けた記事が出ている。
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昨今のグループカウンセリングでは、「人間関係がこじれないように、どうしたらいいでしょうか?」とか「気持ちを伝えるワンポイントを教えて!」と、悩む前に「方法」を求める質問が圧倒的に多くなっていて、しみじみ「悩む感受性」が希薄になっていると思う。

それに対して、すぐに「それなら、こうしましょうね」と、その人の代わりに方法を考えて差し出すのが、いわゆる雑誌をはじめとする昨今のメディア情報の流し方だ。

まずは、「あなたは他人からどう見られてますか?」と他者視線を意識させ、不安を煽り、「バナナを食べればやせる」式の解決方法を次から次へと垂れ流す。
そういう情報にしがみついて方法を求めれば求めるほど、ますます方法にとらわれて、「まだまだ足りない」と自己否定感を募らせ、本質的問題解決から遠ざかっていく。
あるいは、得た情報を周囲の人間をコントロールするために使おうとしたり…、そうしちゃ、ますます他者への想像力と感受性を鈍麻させ、自己完結を目指し、人間関係をややこしくしていくのだから、これに慣れてしまうのは、かなりコワい。

いやいや、これはメディアと読者の関係だけじゃない。
家族関係やら、教育現場やら、メンタルヘルスサービスの中でも、よくよく目にする。

いずれも、他者と関係をつむぐという視点がないのだ。
というか、「他者視線」を意識するほど、哀しいほどに「他者」という存在はなくなる。

どんなものだって、他者と共に生きる意識の中でこそ、はじめて実を結ぶのではないか。
コミュニケーションを成熟させる原点は、「私は他者と共に生きたい。他者と話がしたい」という切ないほどの情念ではないのか。

さて、今号のananは、表紙が嵐の5人だしね、「明るい人間関係の作り方」という特集テーマもなかなか心そそられるしね、「しっかり食べてきれいになる! 美女鍋」のレシピも満載だしね、蟹座は「週明けの待ち伏せ、アポなし訪問は好展開」だしね…
きっかけはとりあえず何だっていいことにして、その読者の中から、「アサーティブネス」という言葉を得ることで、自分を内省する視点を持ち、自分自身にリアルに向き合い、失った権利意識を回復し、他者や世界とつながっていく道を歩み始める人が一人でも多く出てくれればと、ただただ願っている。
by teenspost | 2008-11-23 21:50 | ♪徒然Sawanism

どがいしょーるんの?

広島県廿日市市四季が丘中学に行ってきた。
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校舎の窓から眺める風景はご覧の通り。
目の前が日本三景の宮島で、瀬戸内海に面した風光明媚な丘の上に建つ中学校だ。

「わしゃー、生まりゃー、広島じゃけ」というノリの校長先生はじめ教職員の方々は、みなさんとっても気さくで、そこへ他校の校長さんが「どーしょーるん?」とやってきて、おしゃべりしよるけん、なんか空気がゆるいのう。

ちなみに広島弁は、かつては「アメリカ(カリフォルニア、ハワイ)における日本語の標準語」といわれたくらいインターナソナルな主流派じゃけん、覚えにゃーいけんけーのう。

さっそく校長室で給食をいただく。わーい!!
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今日の献立は、ひき肉と大豆のカレーに、クラムチャウダーに・・・
あれ、この牛乳・・・目が点になる。
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チチヤス給食牛乳。
そうか! チチヤスは廿日市のメーカーだったっけね。

かれこれ30年ほど前から、私はこのチチヤスのヨーグルトにはまり、特にカレー料理に合うので、友人の情報も得ながら東京中のスーパーで置いてあるところを探しまくったりもしていたくらい。(最近はよく見かけるようになったけどね)

さて、給食をいただいて、ほいじゃあ、3年4組へ、行こうかいねえ。

6時間目50分を使って「ピアサポートづくり」をテーマに、「ファジーのきもち」の音楽朗読劇、感情くじ引き、担当の中本先生と掛け合いアサーティブ漫才ロールプレイと、盛り沢山の公開ワークショップをやった。
3年4組のみなさんと熱心に見に来てくれた先生たち、ありがとうございました!

そのあと、地域の小中学校の合同研究会で「子どもの支援は家族の支援」というテーマでお話しさせてもらった。
「もっと聴きたかった〜」と言ってくださる先生もいて、はるばるやってきた甲斐がありました。

それでは、一年ぶりで広島トリビアクイズ。
「廿日市」は、なんと読むでしょうか?

正解、そう「はつかいち」です。
(実は最初、事務局でもなんて読むのか?難儀していたのです)
はつかいちで、はつかワークショップでした。

040.gif19日から20日にかけて、ネット環境整備のため、ホームページが一部見られない状態となりました。
ご心配おかけしています。もうじき、安定すると思います。

by teenspost | 2008-11-21 21:53 | ♪渡り鳥の旅みやげ

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PETAのアーニーさんのワークショップでは、現在それぞれが直面する問題と、その問題解決へのイメージをフルにからだを使って表現することで見いだしていった。

日本でウツや自殺が社会問題となるほど増加するにつれて、老若男女問わず、アタマで考える人が増えていった。
この「アタマで考える」というのは、実は考えてはいない。
からだも心も使わず、ただアタマの中だけで自己完結して思いめぐらせば、際限のないどうどうめぐりのスパイラルにはまり、目を回して酔っぱらうだけだ。

そういう時には、できない理由や立ちすくむ言い訳ばかり考えて、解決に向かう理想のイメージは抱けない。
仮に、理想のイメージが抱けたとしても、一発逆転をねらって、そこに一挙に到達しようとするから、プロセスがなくなる。
かくして、底なし沼のようにウツウツと自分を責めるスパイラルが続く。
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PETAのワークはただ身体を動かして、抑圧された像と、解放された像を創りあげる。
そして、その2枚の像をつなげるためのプロセスを他者の力を借りながら、他者共につくりあげ、流れをつくる。

他者とともにイメージを描き、共同作業していくとき、一人ぼっちで抱え込んでいるときには、思いもつかない新しい世界が生まれる。
by teenspost | 2008-11-19 10:08 | ♪徒然Sawanism

イメージの力

スタジオ悠から徒歩数分のところに、「こひつじ保育園」がある。
子育て中の利用者が一時保育としていつもお世話になっているのだが、年に一度の造形展を見てきた。
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子どもたちのそれぞれの自由な表現を見ていると、たくさんのエネルギーをもらってインスパイヤーされる。
これから控えているワークショップに向けて、私の中にもいろんなイメージが飛びまくり、ワクワクしてくる。

ふと、帰り際、一階入口傍に展示されていた5歳児の絵に目が止まる。
 氷がとけて泣いているペンギンを見守る鳥たち
 悪い空気を水に換えていくロボット
 草花咲かせる種と水をまくヘリコプター
 住む家が無くて困っている鳥さんに家をつくる仲間たち
 いらなくなったペットボトルをいれると綺麗な水が出てくる機械

それぞれのタイトルとそれぞれの絵を見ていたら、胸がいっぱいになった。

今ここからイメージを描く力が人にはある。
子どもたちの絵は、そう力強く伝えていた。

スタジオ悠でも、「自分と仲良くなるレッスン1dayワークショップ こころ、からだ、あたま、ほどいて 秋に遊ぶ私の気づきと癒しの1日」で終日、参加者のゆたかな表現が開花した。

イメージの力を取り戻す時、私たちは変化への希望と信頼と勇気を取り戻せるのだ。

週明けの月曜は、大好きなPETAのアーニーさんのワークショップだ。
準備しながら、これまたワクワクしている。053.gif
by teenspost | 2008-11-16 10:13 | ♪徒然Sawanism

秋は毎年,内で外でワークショップが目白押し。

●11/12(水) わたしたちの居場所づくりアート★ワークショップ
国立プランターコテッジ主宰 現代美術家小池さんの非暴力空間づくり

●11/15(土)  自分と仲良くなるレッスン1dayワークショップ
こころ、からだ、あたま、ほどいて 秋に遊ぶ私の気づきと癒しの1日

●11/29-30 SPA非暴力ピアプログラム支援者研修2日集中in 北海道伊達温泉

●12/13-14 SPA非暴力ピアプログラム女性のための2日集中in ウイングス京都

そして・・・なんと、来日中のフィリピン教育演劇協会の名物ファシリテーター、アーニーさんに無理を承知で頼み込み、急遽ステキな企画が実現します!
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060.gifPETAのアーニーさんの053.gifわくわくワークショップ

*日時 11/17(月) 10:00-17:00

*場所 相模大野グリーンホール リハーサル室
    小田急線相模大野駅下車北口より徒歩4分

*テーマ 自分の中のいじめっ子との対話

*会費 サポート・NAC会員 3,000円(悠チケット可)
    一般会費 5,000円

*定員 20名 
受付終了!



「こうしなければダメ!」「わたしはまちがっている」・・・自分のこころの中にいじめっ子がいるときには、目の前の人の言葉が聴こえなくなります。
傷つく出来事があっても、言い返したり、自分を大切にする行動をすることができなくなります。
それは、自分を責める「自分の内に向ける暴力」につながります。

日本の社会問題でもあるウツ、ひきこもり、過労、アディクション、ナルシシズム…
といった、「自分の内に向ける暴力」と「男ジェンダー・女ジェンダー」などのさま
ざまな呪縛をどう超えるかということをテーマに、アーニーさんにはブラジルで「被抑圧者の演劇」を開拓したボアールの「頭のなかの警官(Cop in the Head)」という手法で、たのしくおもしろく、ハートで感じながら、ほどいていきます。

【アーニー・クロマ】フィリピン国内外で、家族の暴力,貧困、内戦によって傷ついた子ども・女性たちをエンパワするワークショップを数多くこなし、その愛情あふれるあたたかで自由自在なファシリテートは各地で絶賛されている。
2006年サマーワークショップのリポートはこちら↓
by teenspost | 2008-11-11 14:31 | ♪スタジオ悠々日記

沖縄に足繁く通うようになってから、はや十余年。
本島を中心に沖縄は信じられない速度で変容している。
もしかしたらそれは、島の中にいる人たちより、余所者の方がリアルに感じていることかもしれない。

東京育ちの私は、子ども時代から思春期、そして大人期に、東京がいかに近代化の波にのまれ、コミュニティが壊れ、人間の心が変質していったか、その喪失を目の当たりにしてきた。

でも、ひょっとすると、このところの沖縄はそれ以上に凄まじいスピードで変容しているんじゃないか。

そんな折り、先月から琉球放送で放映されはじめた「琉神マブヤー」にハマっている。
公式サイトによれば、「2008年。平和に見える沖縄を混乱の渦にまきこもうとする悪の軍団・マジムンがあらわれ、沖縄の人々に宿る魂、伝説のマブイストーンを奪おうと策略する。そこで、正義の味方、琉神マブヤーが立ち上がり、沖縄の心にめざめ回復していく・・・」という奇想天外なストーリー。

パソコンでこのブログをご覧の方は、ぜひ、下記にアップするyoutubeで第五話「エイサーのマブイストーンがデージになっているノ巻」(11/1放映)を観てくださいね。


今回の沖縄もいろいろオモローなことが沢山あったけど、私は、このたびPETAの手法をもとに、ポール・キベルの理念を踏まえた、「琉神マブヤー・Making the ウチナーPeace」という非暴力ゲームをいくつか開発し、さっそく浦添市てだこホールのワークショップで本邦初公開。

案の定、参加者全員、でーじ笑いの渦に巻き込んだ。
このオバカ深いゲームを体験してみたい人は、そのうち、各地のワークショップ会場で会いましょうね〜!!
by teenspost | 2008-11-08 17:59 | ♪渡り鳥の旅みやげ

沖縄の雨を見たかい?

10月末、沖縄に飛んだ。
11月1日、那覇の相談職につく女性たちが企画してくれた「気持ちスッキリ元気になる研修会」では、エモーショナル・リテラシーとセルフケアがテーマ。
冒頭でテルリンこと照屋林助さんの名言「何より恐ろしいものは心の不発弾」を引用し、ふだん多忙な参加者の皆さんが楽しく自己表現する時を分ち合える場づくりをした。
クロージングではみんなで島唄を踊り、これからの旅の門出を送り出してもらった。
沖縄の支援者の心遣いはいつも心に染み入る。
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一方、そのころポール・キベルさんは川崎で開催された若いゲイコミュニティでのワークショップを大成功のうちに終え、翌日からの沖縄研修のため、羽田を発ち、最終便で那覇に着いた。

いつの時代も抑圧や差別に傷ついた少数者や女性や若者たちが、その現実に向き合うということはたいへんな作業だ。
閉じ込めてきた心の奥底から、さまざまな葛藤や行き場のない感情があぶり出されてくる。
でも、その作業なくしては、孤立したまま、つながりあうことはできない。
はかない幻想は描けたとしても、変化に導く希望には辿り着けない。

11月2日ー3日、沖縄のポールさんの2daysワークショップでは、あらためて沖縄の女性たちの内在化された性差別と家父長制への否認が浮かび上がった。
初日、なかなか言葉が出ない参加者に、ポールさんは「今日は自分を十分ケアするように」と告げて、早めに終らせた。

固く閉じた空気に、ポールさんも目をまっ赤にして、さぞや疲れたと思う。

それでも2日目は少しずつほどけていき、多くの女性が持つ自己否定感と、その元にある“からくり”が参加者の発する言葉によって少しずつ紐解かれていった。

ポールさんは本当にタフにリアルに参加者に向きあった。
あの状況であそこまで誠実に向き合える男性を私は見たことがない。
ほんとうに有り難かった。

2日間の最後にポールさんは突然私に「This Little Light of Mine」を歌ってという。
映画「コリーナ、コリーナ」の中でウーピー・ゴールドバーグ扮する主人公が女であり黒人であるというだけで差別を受けるシーンで効果的に使われたゴスペルを歌い、クロージングとなった。

今回、ポールさんと私は、関係者が用意してくれた、平和記念公園に近い海辺(かつて沖縄戦の激戦地)の民宿に滞在した。

初日の晩、夕食に立ち寄った古い民家の料理屋に、米軍の払い下げのジュークボックスが置いてあった。
懐かしい60〜70年代の曲を数曲選びつつ、あまりにポールさんと趣味が合うので、年齢は10歳ほど違うけど、海を越えて同時代に同じ曲を聴いていたのかと思うと嬉しかった。

最後に選んだのはCCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)の「雨を見たかい」。
1971年ベトナム戦争末期(沖縄復帰の前年)、「雨」という言葉に、ベトナムで投下された「ナパーム弾」の意味が込められていたため、米国で放送禁止になったという逸話もある。
当時中学生だった私は、ポールさんのように公民権運動・平和運動・女性解放運動といった大きなムーブメントの中にいたわけではないけれど、音楽を通じて確かに聴いていた。


f0107724_10175273.jpgずっと昔に誰かが言っていた
嵐の前に静けさがある
そうだよ
そのうちやって来る
嵐が過ぎ去れば そうさ
晴れの日に雨が降るんだ
そうだよ
水のように光って落ちてくるんだ

僕は知りたい 雨を見たかい?
晴れた日に降ってくる雨を

昨日も その前も
太陽は冷たく 雨は激しく
永遠に続く
ぐるぐる周り 速くなったり 遅くなったり
止められないんだ どうしてだろう

僕は知りたい 雨を見たかい?
晴れた日に降ってくる雨を

帰り道は電照菊の光り輝く闇夜の農村地帯を車は走り,翌朝、晴れ渡る沖縄の空の下、サトウキビ畑と蒼い海を眺めつつ,会場の首里へと向かった。
研修が始まると、時折、熱帯特有の激しい雨が繰り返し降り続いた。
by teenspost | 2008-11-04 12:48 | ♪渡り鳥の旅みやげ