2015年 07月 22日
木陰をつくろう
汗を拭いながら日傘をさして歩く炎天下、
路地に木陰を見つけては、つかの間ホッとする。
バス停の合成樹脂でできた日よけの下よりも、
ついつい柳の木陰に寄り添いたくなる。
アスファルトの大通りを走り抜ける車中で、
街路樹の並木の下を通り抜けたとたん涼しくなる。
暑いときほど、樹々の力を感じ入る。
夏休みは子どもと大人が一緒に過ごす時間が多くなる。
家の中にも、木陰があるといいな。
コントロールする密着した関係は、風のない炎天下のように暑苦しいだろう。
照り返しのきつい反応し合うコミュニケーションじゃ、心も焼けしてしまうだろう。
いつも気を使い合うのは、いつまでも気温の下がらない熱帯夜のようにうっとうしいだろう。
いくら最新のエアコンでも、家族関係の空気調整まではできない。
だから、家族の中に木陰をつくろう。
木陰の下にゴザを敷いて昼寝したくなるような、
シンプルな言葉で、ゆるくて涼しい関係がいい。
適度な距離が、一人ひとりの居場所を保ち、
ここちよい風が穏やかに流れていけばいい。
ビルの最上階のスタジオ悠では、花屋の隅で縮こまって安売りされていたパキラの木が、いまや漆喰壁から突き抜けるように育ち繁っています。
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TEENSPOSTでは「夏休みキャンペーン 木陰をつくろう」を始めます。
高校生のデザインによる素敵なパンフができました!
8/1(土)土曜ふらっとカフェでは、おしゃべりしつつ、思春期パンフ2015をつくります。
イラスト by Megumi
♫「ライ麦畑プロジェクト」もスタート!!
この思春期パンフをティーンの手元に届けます。
白衣のポケットからそっと買い物袋に忍ばせてくれた薬屋の薬剤師さん。
さりげなくCDショップのレジの片隅にイラスト付きで置いてくれた店員さん。
クレープ屋さん、ドーナッツ屋さん、カラオケ店に設置してくれた皆さん。
テスト用紙の裏面に印刷して生徒にそっと配布してくれた高校の先生。
…ひとりでやるからこそ、できることもある!
お問合せは>>>こちらから
設置希望先、枚数等、お知らせください。
パンフは手のひらに収まる小さな薄い紙製です。
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by teenspost
| 2015-07-22 11:00
| ♪徒然Sawanism
2015年 07月 14日
夏休み子どもアサーティブ、大切なことは遊びの中に♫
TEENS POSTのアサーティブ・トレーニングは、子どもの権利のアドボケートと、いじめ・暴力の本質的予防のために、1992年にはじまりました。
当初は、ジーンズのリーバイスの助成支援もあり、子どもに届けるためには大人がまず学ばなければと、大人の社会教育、支援者研修、海外研修…と裾野を広げていく一方で、小中学校、高校、専門学校の子ども・若者の元へ毎年のように出前を運び続けてきました。
ん??でも、ふと気が付くと、灯台下暗しで、地元の子どもたちに届ける機会がない!!
ということで、町田駅から徒歩圏にある湧き水と緑に包まれたせりがや公園で、夏休みに開催することになりました。
子ども達とつくるアサーティブ・プログラム。
クラフトづくり、紙芝居、ゲーム…すべては遊びの中に。
小さいお子さん連れの親ごさんたちは、木陰でお昼寝してくださ〜い。
写真上は北海道の小学校、沖縄の小学校での模様。
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by teenspost
| 2015-07-14 15:45
| ♪アサーティブ・ラボ
2015年 05月 05日
未来を創る島から 〜こどもの日。それは、おとなが自分の生き方をふりかえる日でもある〜
トランクに手作りグッズを携えて、子ども支援研修、小学校を巡る、新年度の出前SPAプログラムは、沖縄本島南部に位置する八重瀬町からスタートした。
平和祈念公園を擁するこの地域では、かつて激戦地となった惨禍から、多くの人が暮らしの中で弱きもの小さきものの命を大切にすることで平和の樹を植え続けてきた。
その70年の歳月を経て、いまサトウキビ畑に穏やかな潮風がそよぎ、子育て世代を中心に移住者も多く受けて入れている。
子ども達に何かを伝えるとき、子ども達と共に学ぶとき、教材(遊具)を自らの手で創るということがどんなに大切なことか、これまでも多くの先達の知恵から学んできたが、心や関係といった目に見えないものを学ぶためのペープサート、感情くじびき、感情トランプ、スライド・ビデオ…を目にした子ども達が「これ、創ったの?」と興味津々で近づいてくる時のワクワク感といったらない。
歓びの波動は歓びとなって伝わっていく。
それでなくても、子ども達の成長を見守り、平和な環境づくりに心を注ぐ、この地の大人の創作力は過去記事「沖縄アート力は子どもの味方!」に詳しくレポートした通り、温かい情愛に満ちている。
出前のテーマは、エモーショナル・リテラシーとアサーティブネスによるMaking Peace。
エモーショナル・リテラシー(感情との付き合い方)は、自己信頼と人権意識の土台となるもの。
アサーティブネス(自己信頼に基づく自己表現)は、子どもの権利条約の目玉でもある「子どもの意見表明権」をアドボケートしつつ、1人ひとりがあらゆるちがいを越えて他者と共に生きる自立を手にしていくための非暴力のコミュニケーション。
子どもにも大人にも、世代をこえて必要なものだ。
ワークショップの中では、子ども達から折々に返ってくる質問や感想とのキャッチボールがとても面白かった。
「自分の気持ちを相手に伝えた時に、相手が応えない場合、どうしたらいいだろう?」
そういう問いかけを小学校6年生の子ども達から受けとったとき、どう応えるか?
コミュニケーションの7割は非言語による、と言われるが、子ども達は大人の「言うこと」以上に、大人の「すること」を見ている。
大人が気づかないところで、言葉だけではない、まなざし、声のトーン、しぐさ、行動…に目を凝らし、耳を澄ませている。
「言うようにしなさい、するようにはするな」というのは機能不全の典型であるけれど、ひるがえって、誠実な言葉と共に身体で自己表現するアサーティブな大人の姿を見ることは、子ども達の確かな自己信頼となる。
1997年のこどもの日に、朝日新聞の社説に紹介されたティーンズポストのレターカウンセリングについての記事を思い返す。
(右の記事をクリックするとpdfファイルが開きます)
自分の気持ちを押し殺して、波風たてずに生きること。
それが普通というのなら、 それほど楽しそうじゃない。いきいきと生きられない――
手紙には、子どもたちの精いっぱいの問いかけが詰ま っている。
こどもの日。それは、おとなが自分の生き方をふりかえる日でもある。
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沖縄那覇・宜野湾2daysワークショップも沖縄のサポーターの協力で、新しい出会いと気づきがあふれる温かな場が生まれました。ご参加された皆様、ありがとうございました。
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by teenspost
| 2015-05-05 09:16
2015年 03月 11日
鼻は嘘をつかない、 しなやかな鼻息と鼻笛の真実
子どもと大人の新しい関係づくりをテーマに活動してきたTEENSPOSTは、4年前のあの日から、まずは大人の関係づくりの場として「夜楽校」「ピア・ガーデン」を開いてきた。
1月のピアガーデンでは、クログでおなじみのレイコ姫とパートナーのヒロさんが、仲間の1人ひとりの新春のポートレートを素敵に撮ってくれた。
2月は、被災地を支援する勇気野菜プロジェクトの杉浦さんが3.11から足を運び続けている福島のお話を聴かせてくれた。
杉浦さんのあったかさとやさしさと真実味あふれるお話。
いま無力を分かち合うことで、できないからできる大切なことを胸におさめることができた。
ふと、ヘンリ・ナウエン(アンリ・ヌーエン)の言葉を思い出す。
人生で最も大切な人はだれであるかを正直に自分に問いかけてみると、それは助言したり、解決したり、治療したりしてくれる人ではなく、苦しみをわかちあい、…絶望と混乱に陥っている時、黙って一緒にいてくれる人。
無力である現実を一緒に見つめてくれる人。
このような人こそ、ケアしてくれる友である
その夜は、鼻笛ニストの中島勉さんがスタジオ悠に初デビュー。
実は、この「鼻笛」、石垣島のあるライブで知って以来、いつもバッグに入れて持ち歩いていたところ、マジシャンのこうさんから「鼻笛やりたいですね!」と熱いリクエストがあり、それから、教えてくれる人を探し求めていた。
ついに、願いとご縁がつながって、しかも、中島勉さんは、鼻笛以外にも、国際竹とんぼ協会だとか、地域の子ども会だとかで活躍されてきた方。現役中は飛行機の内装設計をしていたという、なかなか面白い方なのだ。
「自分も子どもがいますが、子どもとは関係なく、子どものことをやってきました」というあたりは、マジシャンのこうさんにも通じるものがある。
そうね、だいたい今の世の中、自分の子どものことだけなんか考えていたら、かえって、自分の子どもの姿を見失ってしまう危うさがある。
血のつながった子どもがいようといまいと、子どもと寄り添うことでしか、この困難な時代を生きることはできないんじゃないか。
で、そんなこんなもあって、4/4(土)18:30から桜の名所玉川学園のコミュニティーセンターで、お花見YAGAKU夜楽校をやる。>>>詳細
ちょうど満月だし、すべては用意されている。
鼻笛は、木製、焼き物、欧米、アジア製…いろいろあれど、今回は、来てくださった皆さんがお土産に持ち帰れる紙製の鼻笛をつくり、鼻笛ニスト直伝で、合奏までやっちゃおうという。
日本鼻笛協会、略して「NHK」ポッポコピー町田支局が誕生する瞬間をお見逃しなく。
鼻笛ニストの中島勉さん曰く、
「鼻笛は、楽譜も要らない、花粉症でも大丈夫。
子どもも大人も一緒に吹けます。
なんといっても・・・
鼻は嘘をつかない!」
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by teenspost
| 2015-03-11 11:02
| ♪スタジオ悠々日記
2015年 01月 19日
♪年の始めのためしとて〜
新年恒例となった宇都宮(とちぎ男女共同参画センターパルティ)でのアサーティブトレーニング講座2days。
いつものように、前の晩は、宇都宮の中心にある松が峰教会と二荒山神社に実り多い講座となることを願って参詣。
宇都宮の街は、新旧、聖俗、洒脱と素朴…さまざまなものが渾然一体となっているところが面白い。
今年も定員を超える多くの方に応募いただき、パルティのスタッフは、1人でも多くの方にという思いと、良質のプログラムのための最大限の人数(定員)との折り合いで苦心していた。
30代からアラフォーを中心に、男性の参加、20代も増え、今回は、受講者のうち20名が同センターに初デビューという。
こうして、様々な違いをこえるコミュニケーションづくりの2日間が始まった。
日常の人間関係の中で、<なんとか気持ちをとりつくろう><なんとか相手を変えよう>…と思うほど、無力感はつのっていく。その奮闘の末に、「まず変えられるものは、相手ではない」と気づいた時、アサーティブへの道が拓ける。
これまでの自分のパターンを認め、手放し、新しいステップにチャレンジするのは、なかなか勇気のいることだが、むずかしいことは、できないことではなく、人と一緒に果たしていくものだ。
クロちゃんシアター>>>短い五章の自伝
出張ワークショップをするたびに、いつも当地で地道に仕事される方々の苦労に思いを馳せる。
目に見えないところでの日常の積み重ねがあるからこそ、幅広い層の方が集い、安全な学びの場が用意され、ニーズに応える講座を企画できるのだから。
今年も、北から南から、真摯で温かなハートあふれる場所で開催できて有り難いなあ。。。と、しみじみ思いつつ、宇都宮の正嗣(まさし)の餃子をお土産に帰路についた。
誰かが誰かを教育するのではない。
自分を自分ひとりで教育するのでもない。
人は自らを教育しあうのだ、
相互の関わりの中で。
パウロ・フレイレ
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by teenspost
| 2015-01-19 13:33
| ♪渡り鳥の旅みやげ